NICT 独立行政法人 情報通信研究機構 一般公開へ行ってきた。

NICT 独立行政法人 情報通信研究機構(以下NICT)の一般公開へ行ってきた。


普段は一般への公開をしていないみたいで、いつもこの時期に一般公開をしている。
今年は7月24日(金)7月25日(土)に行われた。

学生の頃は何度か来ていたのですが・・・。
訳が分からん機械がたくさんある!
わくわくする!
とにかく凄い!
というような感想しか言えなかった。

社会人になってある程度知識も増えて興味のある展示もあったので、
行ってみようと思い立ち行って参りました。

今回は興味を持って解説を聞いたりした展示のみ紹介していきます。
ほかにも沢山あったんですよ。


NICTは敷地が広く、建物が何棟もあります。
今回公開していたのは以下の建物。の一部でした。

2号館 4号館 5号館 研究交流センター
フォトニックラボ ミリ波研究棟 6号館 宇宙光通信地上センター

あと研究本館と言う所も入れましたが受付のみでした。

日本標準時のふるさと 2号館

日本の標準となる時間はNICTにある原子時計を元に作られ、
NTTの時報や、各テレビ局などの時報へ使われています。


日本標準時が生成されるまでの流れがあって結構複雑なんですが、
説明員さんから聞いたことと、パンフレットに書いてあることからまとめると・・・。

国際原子時

原子時計が基準になっている国際原子時*1というのがあります。
これは原子時計によって刻まれる時系で、
世界各国に存在する原子時計の時刻を加重平均することによって決定されるものです。

協定世界時

地球の自転速度は変化しており、1日の時間(日が昇って、落ちるまでの時間)が変化する。
地球の運行に基づく天文時系である世界時*2というのがあり、世界時に合わせるようにした原子時系を
協定世界時*3と呼ぶ。

世界時と協定世界時の間に0.9秒以上差が開かないように、
1秒を挿入・削除して調整していて、この1秒が「うるう秒」と呼ばれています。

1972年からこういった調整が行われており、2009年までに行われたうるう秒調整は24回ありました。
そのすべてがうるう秒を挿入する調整であったため、現在の協定世界時は基準となる国際原子時よりも34秒遅れています。

日本標準時

で、やっと本題の日本標準時ですが・・・。
日本標準時JST Japan Standard Timeと呼ばれ、協定世界時から9時間進めた時刻です。


協定世界時国際原子時は 国際度量衡局*4と言う所が決めている。
国連の下部組織なんだそうだ。


どうも難しい話ばっかりで 頭がスポンジー!! って感じだったんですが。
自分なりの理解としては、

国際原子時は1日の長さなんか無視しためっちゃ真面目な奴なんで、
1日の長さを重視した世界時との間を取り持って生まれたのが世界協定時なんだろう。

という理解をした。 それに日本は時差があって9時間進んでる、と。
これでいいのか・・・?

下の写真は日本標準時を生成している原子時計
上から日本標準時協定世界時国際原子時と並んでいる。


インシデント分析センター nicter 5号館

これは結構衝撃を受けた。


ネットワークの使用されていないアドレス空間にセンサー*5を置き、
"どういったパケットが飛んできているのか"という情報を収集・解析して、視覚的に表現することが出来る。



送信元IPアドレス送信先IPアドレス・パケットの種類などの情報を元に解析エンジンを通して、
マルウェア・ボットなどのデータベースと合わせて攻撃主が何を使っているのか解析出来る。

将来的にはネットワークを監視し、解析し続ける事によって
セキュリティ対策の情報を発信する材料になる。と考えられているようだった。

こういうのを会社でもトラブル原因解析に使わせてくれたら楽しいのに!(ぉぃ)と思った。

実用的IPトレースバック技術の開発 5号館

攻撃元が誰なのか追跡するための技術開発

ISPが持っているルーターの前にパケット採取・解析するための装置を入れて
ロギングほかのルーターを通った時のログなどから
どういった経路で誰が攻撃してきているのか把握できるみたい。

インターネット衛星きぼう 4号館

皆既日食の中継(NHK)に使われていた通信実験衛星。

今までの衛星とは速度が段違い。
1Mbpsくらいだった速度を1.2Gbpsにまで上げることが出来たそう。

電波の伝送速度というか、宇宙から地上へ到達するための距離は変わらないし、速度も変わらない。
その中でどうやって情報伝送速度を早くしてきたかっていうと、
一度の発信で多くの情報を入れられるように工夫したそうです。
複数の電波によって一度に送れる情報量を増やしたり、圧縮をかけたり。

通信衛星といってもルーター的な役割も果たすそうで、ATMという言葉を久しぶりに聞いた。
ATMがどういうプロトコルなのか知らないんですけどね…。

量子力学 フォトニックラボ

シュレディンガーの猫
という現象を利用した暗号方式、量子暗号化の話をしていた


これこそ 頭がスポンジー!! 状態で、よく分からなかった。

分かったところだけ書くことにする。
現在の暗号通信は鍵のやり取りを終えると、その鍵を使いっぱなしで通信しているから、
万が一通信の内容を傍受されて複合化されちゃうかも知れないじゃない!


ってことで暗号化、複合化に必要な乱数をやり取りしたときに、
破損が無いか、盗聴がなかったかが分かるようにする技術らしいです。


伝送経路の距離が決まっていれば届け先に到達したときの位相が分かるそうなので
位相がずれていれば経路に変化があったか、何らかの干渉があったと推測できる。
なのでその通信をやめる。もしくは通信結果を信用しないといった措置が取れる。
ということらしい。

乱数の交換さえセキュアに行えれば、その乱数を使った通信経路は光ファイバーによるものでなくても良い。
乱数の交換は1度の通信ごとに行うので、毎回違う乱数を使う。


話を聞いたときは なるほど!って思ったのに時間が経つと忘れちゃうなぁ。
悲しいかなスポンジ脳。

宇宙天気予報センター 6号館

NICTは通信だけを研究しているんじゃない!
通信の妨害にもなりうる宇宙の時期嵐の様子まで予想しているんだ!
っていうことらしいです。

太陽から吹く太陽風っていうのが地球に常に吹いているらしいのですが、
これが地球に当たった時、どういった影響を及ぼすのか、
どういった宇宙の天気になるのかを予報するのがここのお仕事です。


私は宇宙天気予報というのは
「衛星の遠隔操作をする日を決める基準」
くらいにしか使えないと思っていたのですが、
地磁気の動きもこの予報によってある程度予測がつくらしく。
地下を観測している人たちには役に立つのだそうです。

色々説明してもらったのにあやふやにしか覚えてない。
ごめんなさい、やわらかく説明してくれた説明員のおじさん!

宇宙天気予報センターは、特撮モノの司令部みたいで格好良かったです。


まとめ

途中きらら(kirara_397)さんに会ったのですが、きららさんはNICT初めてだという事だったので
お互いマイペースに展示を見たほうが良いかも。という提案をして単独行動で見学しました。
ついったーでは募集とか言っておきながら単独行動を提案する私って・・・。なんというひどい奴。
ごめんなさい、きららさん。

そんなこんなで全部歩いて見て回ったところ、
朝の11時頃から居たのですが15時半までかかってしまいました。
16時終了の一般公開でしたので目いっぱい楽しむことが出来たと思っています。

来年も見に行きたいなあ。
今回行きたがってた人が何人かいらっしゃったので、
来年は早めのタイミングで告知して参加者を募って見たいと思います。

*1:TAI:International Atomic Time

*2:UT

*3:UTC:Coordinated Universal Time

*4:こくさいどりょうこうきょく

*5:パケット採取する機械